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1995 年 9 月 22 日 発行(No. 94) KEK Computing Newsletter 共通計算機システムの更新とそれへの移行について Replacement of Central Computer System (HITAC) The current Central Computer System (HITAC main-frames) will be replaced with a new cluster system comprising many UNIX servers in January the next year 1996. The programs and data on HITAC have to be transported and adapted to the new system by users themselves. Computing Newsletter No. 86、No. 90、No. 93 でお知らせした通り、共通計算機 システム(HITAC 大型計算機)は、来年1月に複数の UNIX のサーバ型計算機から なるクラスター・システムに移行します。システム供給者を決める入札の結果、こ の次期システムは(株)日立製作所が担当することになりましたが、これはこれま での HITAC とのプログラムの互換性や、HITAC 上の様々の機能の継承を保証する ものではありません。また各クラスターごとに下記に述べるように計算機の機種が 異なっています。従って、現共通計算機の利用者は、自分が置かれる新しい環境を 確認の上、以下に述べる諸点に注意して次期システムへの移行のための作業を進め てください。特にHITAC 上のプログラムおよびデータの物理的移動やその変換は、 -------------------------------------------------------------- ユーザ各人で行ってください。センターでは物理的移動を含め、これらの作業を一 -------------------------------------------------------------------------- 括して行うことはしませんので、注意してください。担当会社による移行のための ----------------------------------------------- 講習会も開催する予定ですので、これもご利用ください。 1 新システムについて ---------------------- 新システムの概要は以下の通りです。 a. サーバ型計算機による、各研究グループごとに独立したクラスター・シス テムから構成されています。 b. オペレーティング・システム (OS) は UNIX です。 c. 端末(X 端末)は、利用者が共用的に使うものは準備しますが、 利用者個人の分は各自が準備してください。 各研究グループのクラスター・システムの概要は以下のとおりです。 ---------------------------------------------------------------------- クラスター名 サーバ・マシン 磁気ディスク ---------------------------------------------------------------------- セントラル Hitachi3500, 4CPU 5台, 2CPU 1台 166GB 加速器 SAD DEC AlphaServer8200 5/300 4CPU 55GB 加速器 MAFIA H9000/K400, 3CPU 50GB PS実験 Hitachi3500, 4CPU 4台 303GB 実験開発 Hitachi3500, 4CPU 2台, 2CPU 1台 202GB 国際協力 Hitachi3500, 4CPU 1台 53GB 数値理論 H9000/K400, 4CPU 1台, 2CPU 1台 83GB PF H9000/K400, 4CPU 1台 50GB BSF H9000/735 4台 50GB ----------------------------------------------------------------------- BSF 関係者、センター関係者、その他上記の研究グループに属さないユーザはセン トラル・クラスターを使用します。 主なソフトウェアは次のとおりです。 ---------------------------------------------------------------- サーバ・マシン ソフトウェア ---------------------------------------------------------------- Hitachi3500 (全部)C, C++, OFORT77, OFORT90, MSL2 (一部)GKS, FORT/ASSIST, FORT/TF, SEWB, FSED, FORTRAN77 H9000/K400 FORTRAN90, C, C++, SoftBench ne ---------------------------------------------------------------- 各クラスターの詳細については、自分が属するクラスターのクラスター責任者にお 尋ねください。 2 コマンド、エディター等 -------------------------- 新システムのオペレーティング・システムは UNIX になりますので、これまでの HITAC の TSS コマンドやジョブ制御言語(JCL)は使えなくなり、また ASPEN や NEWLIB といったエディターも使えなくなります。UNIX のコマンドや、vi 等のエ ディターを利用していただくことになります。これらの使い方については、これま でも講習会を開催してきましたし、これからも UNIX になじんでいただくための講 習会を行う予定です。一方利用者の方でも、市販されている UNIX に関する参考書 等を読まれることをお勧めいたします。実際に UNIX 環境にあらかじめなじんでお きたい人は、当 Newsletter No. 93 でお知らせした移行作業用システムを使って みてください。 3 プログラムの移行 -------------------- 新システムは、HITAC/VOS3 とはまったく異なる機種とオペレーティング・システ ムで構成されていますので、HITAC 上のロード・モジュール、オブジェクト・モジ ュールは新システムでは使えなくなります。ソース・プログラムからコンパイルし 直していただくことになります。 新システムでも FORTRAN77 プログラムは動きますが、FORTRAN77 規格に無い HI- TAC上の拡張機能については、新システムでは保証されませんので注意を要します。 入出力に関する部分は互換でない場合が多いので注意してください。また、実数の 内部表現の違いから、計算結果が HITAC と一致しない場合があります。あらかじ め移行作業用システムでチェックされることをお勧めします。FORTRAN プログラム の移行に関する文書が、既にお知らせしてあるとおり、移行作業用システムの下記 のディレクトリにあります。 /keklib/guide/PURE/Fortran これと同様の文書がデータ処理センター・事務室(5473)にもありますのでご利用 ください。 4 ライブラリ -------------- HITAC 上でこれまで使用してきた日立製のライブラリは、新システムでは存在しま せん。ただし MSL2 と GKS はそれぞれに対応する日立製ライブラリが新システム でも存在します。また KEKFORT のようなセンターで開発したツール類も意味を失 います。 対応するライブラリが新システム上に存在する場合でも、一般に、各サブルーチン や関数の呼び方はシステム間で微妙に異なることが多く、ソース・プログラムの書 き換えが必要となります。また、CERN ライブラリは新システムでも動きますが、 当 Newsletter No. 90 でお知らせした通りCPC ライブラリを除き、NUMPACK、 REDUCE、KEKDRAWER、TOPDRAWER 等の共用ライブラリは、まだ移行の予定が立って おらず、また必ずしもすべてが移行されるとは限らない状況です。 5 データの移行 ---------------- ここではソース・プログラムもデータの一つと見なします。現用システムと新シス テムとが共存する期間は残念ながらありません。したがって HITAC 上のデータは テープまたは自分のワークステーションのハードディスクに一時保管し、新システ ム稼働後にこれをそこに移すことになります。テープとしては3480カートリッジ・ テープ(CMT)、8mm テープ、DLT テープおよび DAT テープが使用できます。DAT 装置は移行作業用システムにのみ接続されており、HITAC では使用できません。 HITAC から移行作業用システムにデータを移した後、DAT へコピーすることになり ます。また自分のワークステーションのハードディスクにデータを保管するには FTP を使います。データのサイズや自分の周りの環境に合わせて、いずれかの保管 形態を選択してください。ワークステーションをお持ちのユーザは、大容量のデー タでなければ、それのハードディスクに保管するのが最良でしょう。 ファイルのフォーマットに関しては、新システムでは区分データセットという概念 がありませんので、区分データセット形式ののバックアップは役に立ちません。 MOM を使って順編成形式のバックアップを改めて作成してください。 データの内容に関しては、移行できるものは基本的に文字データであると考えてく ださい。バイナリー・データを移行したい場合は、それを何らかの方式で文字デー タに変換して移行してください。文字データを移行する場合も、文字コードが現用 システムと新システムでは異なりますので、注意が必要です。FTP の ascii モー ドでの転送では自動的にコード変換が行われますが、HITAC からテープへバックア ップする方式では文字コードは EBCDIC のままです。新システム上で ASCII に変 換する必要があります。 また日立2020の WORD2 で作成した文書は、MS-DOS テキスト・ファイルに変換し、 フロッピー・ディスクに保存してください。フロッピー・ディスクは NEC PC98 等 で format したものをお使いください。新システムでは WORD2 は使えません。 ファイル移行に関する参考資料として、当 Newsletter No. 90 で紹介されている とおり、下記のファイルが anonymous FTP で取得できます。ぜひこれをお読みく ださい。 ccws13.kek.jp:/vos3/converters/file-trans/Tutorial.euc またこれと同様の文書がデータ処理センター・事務室(5473)にもありますのでご 利用ください。 ユーザ・サポート グループ システム グループ KEK Computing Newsletter の入手方法: ------------------------------------ (1) KEK Computing Newsletter の郵送等による配付を希望する人は、デ ータ処理センター・事務室(計算機棟107 号室)にお申し出ください。 電子メイル: cc-jimu@kek.jp 電話: 0298-64-5473 FAX: 0298-64-4402 (2) 電子メイルを受け取ることのできる状態の人は、kekcc-newsletter にsign on (詳細は KEK Computing Newsletter No.51 を参照のこと) すれば電子メイルでの自動配付を受けることができます。 例:メイルを受け取りたい計算機から、listserv@kekux.kek.jp 宛に、 SUBscribe KEKCC-NEWSLETTER 自分の名前 という内容のメイルを送ります。「自分の名前」は Taro Tsukuba のように、自分が誰であるかを特定できるように指定してください。 (3) KEKVAX にアカウントを持っている人は、VAXNOTES で見ることができ ます。 (4) www または anonymous ftp で、参照または入手できます。 http://www.kek.jp/~ccnl/ ftp://ftp.kek.jp/kek/kekcc-newsletter/ (5) バックナンバーを欲しい人は、(1) と同様、事務室にお申し出くださ い。 データ処理センター